「開発中の美容成分」と聞くと、まだ研究段階のもので化粧品には入っていない──
そう思っていませんか?
実はここ数年、世界中の研究機関やメーカーで生まれた新しい美容成分が、日本国内でもスキンケアアイテムに少しずつ取り入れられ始めています。
たとえば美容医療でも話題の「PDRN(ポリデオキシヌクレオチド)」や「植物性レチノール」と呼ばれるバクチオールなど。
どれもまだ「開発段階」にある成分ですが、保湿・整肌を目的にした化粧品には配合が進んでいます。
この記事では、そんな“未来の有効成分候補”とも言える5つの注目成分をピックアップ。
最新の美容トレンドを知ることで、あなたのスキンケア選びがぐっと楽しくなるはずです。
① PDRN(ポリデオキシヌクレオチド)|美容科学が注目するDNA由来の整肌成分

PDRNとは?
美容医療の現場からスキンケアへ──
PDRNは、サーモンの白子(精子)に含まれるDNAから抽出された成分で、もともとは創傷治癒や再生医療の分野で研究されてきました。
韓国では「リジュラン注射」にPDRNが使用されているのが有名で、別名「サーモン注射」とも呼ばれています。
近年では化粧品にも応用が進んでいます。
どんな働きをするの?
スキンケアにおいてPDRNは、角質層の水分保持をサポートし、乾燥を防ぐ整肌成分として配合されることが多いです。
肌のキメを整え、しっとりとした質感へ導くことから、年齢によるごわつきやハリ不足が気になる方にも人気。
さらに、うるおいのある肌は、自然なツヤや透明感を感じやすいという嬉しい効果もあります。
乾燥を防ぎながら、肌そのものの美しさを引き出す“ベースアップ型”の美容成分です。
どんな化粧品に使われている?
美容医療のメソセラピー(注入系施術)でもPDRNは長年使われてきましたが、現在ではクリームや美容液など、ホームケアでも使えるアイテムに配合が広がっています。
ちなみに私はPDRN配合のマスクを毎日使用しています。
特に韓国コスメや国内のドクターズコスメでは、肌を守りながら整える“新時代の保湿アプローチ”として注目。
PDRN配合の化粧品の表示名称は「加水分解DNA」「加水分解DNA-Na」です。
また、朝鮮人参のDNAを抽出した植物由来のPDRNも使用されていて、表示名称は「ハス葉エキス、DNA-Na」「オタネニンジン根エキス、DNA-Na」です。
② バクチオール(Bakuchiol)|“植物性レチノール”として世界が注目する整肌成分

バクチオールとは?
インド原産のマメ科植物〈バブチ(Psoralea corylifolia)〉の種子から抽出される天然由来成分で、刺激が少ないのに、肌のハリ感やキメを整える働きが期待できるとして、近年一気に人気が高まりました。
「植物性レチノール」と呼ばれる理由は、ビタミンA誘導体のようにターンオーバーをサポートし、なめらかさを保つ研究報告があるため。
ただし化粧品では、“肌をすこやかに保つ”や“整える”といった穏やかな表現で紹介されています。
どんな働きをするの?
バクチオールは、紫外線や乾燥など外的ストレスによる肌のこわばりを防ぎ、キメを整えるサポート成分として使われています。
ピリつきや赤みを感じにくく、日中でも使用できる点が大きな魅力です。
保湿成分との相性もよく、肌にうるおいを与えながら、ふっくらとしたハリとツヤのある印象へ導きます。
どんな化粧品に使われている?
現在、デパコスからプチプラまで幅広いブランドでバクチオール配合の美容液が登場しています。
特に韓国・ヨーロッパ発のスキンケアブランドでは「デイリーレチノール」として採用が拡大中。
日本でも、「敏感肌でも使いやすい」「年齢肌ケアにぴったり」といった切り口で注目されています。
化粧水や美容液、ナイトクリームなどに配合され、“攻めずに整える”新時代のエイジングケア素材として人気が定着しました。
化粧品の表示名称はそのまま「バクチオール」と表記されています。
③ レチナール(Retinal)|“進化系ビタミンA誘導体”

レチナールとは?
ビタミン A 誘導体の一種で、レチノールが酸化してできる中間体です。
つまり、肌でビタミン A として働くための“ワンステップ手前の形”にあたります。
安定性があり、刺激を感じにくいことが特徴です。
海外ではすでに「次世代レチノール」と呼ばれ、欧米や韓国のスキンケアブランドが次々と採用中。
日本でも近年は、整肌目的でクリームや美容液に配合され始めています。
敏感肌でも使いやすい、新時代のビタミン A 誘導体です。
どんな働きをするの?
レチナールは、角質層にうるおいを与えながら、肌のキメやつや感を整える整肌サポート成分として機能します。
乾燥によるくすみや、ゴワつきを防ぐことで、なめらかでやわらかな印象へ導きます。
刺激が少なく、肌への負担を感じにくいのもポイント。
夜のケアでじっくりと角質層を整えたい方に向いています。
ナイアシンアミドやセラミドとの併用が注目されており、“肌の土台を整えるビタミン A ケア”として進化中。
どんな化粧品に使われている?
海外では「Retinal Serum」や「Retinal Cream」が続々登場し、エイジングケアの定番として人気を集めています。
国内でも、夜用美容液やナイトクリームに採用が進行中。
「肌をやさしく整えたい」「刺激が気になる」
──そんな方に向けて、デイリーで使える整肌アイテムとして評価が高まっています。
化粧品の表示名称はそのまま「レチナール」です。
④ ナールスゲン(N-Acetyl-L-cysteine ethyl ester)|日本発!肌のハリを支えるアミノ酸誘導体

ナールスゲンとは?
京都大学と大阪市立大学の共同研究によって誕生し、2011年にナールスゲン®として商品化された日本発のアミノ酸誘導体です。
正式名称は「N-アセチル-L-システインエチルエステル」。
アミノ酸の一種であるシステインをベースに、肌のハリやうるおいをサポートするために開発されました。
もともと大学の基礎研究からスタートし、現在では日本国内の多くのスキンケアブランドに採用されています。
「ナールスゲン®」という商標名で知られ、科学的根拠に基づいた“サイエンス系エイジングケア成分”**として高い信頼を得ています。
日本の研究技術を象徴するエイジングケア成分の一つとして位置づけられています。
どんな働きをするの?
ナールスゲンは、肌の角質層にうるおいを与えながら、ハリや弾力を保つ肌環境を整える整肌成分です。
乾燥や年齢によるごわつき・カサつきを防ぎ、しっとりとなめらかな質感をキープ。
特徴は「即効性ではなく、じっくり底上げするタイプ」
肌を一時的に変えるのではなく「うるおいとハリを“支える土台づくり”」に役立ちます。
また、コラーゲンやエラスチンをサポートする成分との相性が良く、美容液やクリームの“ハリ系ブレンド成分”としても注目されています。
どんな化粧品に使われている?
国内ブランドでは、ナールスゲン配合の化粧水・美容液・クリームが続々登場中。
特に「エイジングケアを科学的に行いたい」「肌の弾力をキープしたい」という30代後半〜50代女性に人気があります。
そのやさしい使用感から、敏感肌向けも多く採用。
刺激が少ないのにハリを感じられるとして、長年のリピーターも増えています。。
化粧品の表示名称は「アセチルシステインエチル」です。
⑤ フェルラ酸誘導体(Ferulic Acid Derivative)|環境ストレスから肌を守る成分

フェルラ酸誘導体とは?
フェルラ酸は、米ぬか・小麦・果実など植物由来のポリフェノール成分で、紫外線や乾燥などの外的ストレスから植物自身を守る働きを持っています。
このフェルラ酸を安定化・誘導化したのがフェルラ酸誘導体。
還元性を保ちやすい構造を持ち、肌を保護し、すこやかに整える成分として化粧品への応用が進んでいます。
毛穴の汚れや古い角質による肌のくすみ・乾燥・ハリ低下は、年齢肌の大敵。
フェルラ酸誘導体は、そういった外的ストレスに着目し、肌を“守る”アプローチでエイジングケアをサポートします。
どんな働きをするの?
フェルラ酸誘導体は、角質層の水分保持を助けながら、外的刺激による乾燥や肌荒れを防ぐ整肌成分です。
うるおいを保ちつつ、紫外線や大気汚染などの環境ストレスから肌を保護。
その結果、汚れの蓄積によるくすみを防ぎ、透明感のある印象へと導きます。
近年は、ビタミンC誘導体やトコフェロールなどの保護・整肌成分と組み合わせることで、うるおいを保ちながら外的ストレスから肌を守る処方として注目を集めています。
どんな化粧品に使われている?
フェルラ酸誘導体は、日中用美容液やUVケア・環境ダメージ対策コスメに多く採用されています。
「肌を守るケア」と「整えるケア」を同時に叶えるため、朝のスキンケアラインに相性抜群。
海外では「フェルラ酸+ビタミンC+E」の3種ブレンドが外的ストレスから肌を守り、うるおいとツヤを支える美容ブレンドとして人気です。
日本でも、透明感とハリ感を保ちたい女性の間で注目が高まっています。
化粧品の表示名称は「エチルフェルラート」です。
まとめ|未来の有効成分候補で“次世代エイジングケア”を先取り

進化する美容科学と、肌へのやさしさの両立
ここ数年、化粧品の世界では「開発中の美容成分」が次々と登場しています。
その多くは、美容医療や再生医療で研究されてきた素材をベースにしており、「肌をすこやかに保つ」「年齢に応じたケアを考える」という新しい発想に基づいています。
かつてのエイジングケアは“足りないものを補う”という考え方でしたが、これからは“肌が本来持つ美しさを引き出す”時代へ。
今回紹介した5つの成分(PDRN・バクチオール・レチナール・ナールスゲン・フェルラ酸誘導体)は、
まさにその変化の象徴といえるでしょう。
5つの成分でわかる、次世代スキンケアの流れ
| 成分名 | 主な特徴 | トレンドテーマ |
|---|---|---|
| PDRN | 再生医療発のDNA由来成分。 うるおいと整肌をサポート。 | DNAコスメ |
| バクチオール | 植物性レチノールとして注目。 日中も使いやすい。 | クリーンビューティー |
| レチナール | レチノールの進化系。 安定性・やさしさ・整肌力。 | ビタミンA次世代 |
| ナールスゲン | 日本発アミノ酸誘導体。 ハリと弾力をサポート。 | サイエンス素材 |
| フェルラ酸誘導体 | 環境ダメージから肌を守る成分。 | スキン・ロンジェビティ |
これらはすべて「承認前だけれど実際に配合が進んでいる」という共通点を持っています。
つまり、“未来の有効成分候補”を今から先取りできるということ。
美容の進化は、もう研究室だけのものではありません。
あなたの毎日のスキンケアの中で、静かに始まっているのです。
MEGU GLAMからのメッセージ
美容の未来は、“選ぶ人の意識”で決まります。
ただ流行を追うのではなく、「どんな成分で、どんな未来の肌を育てたいのか」を自分で選ぶこと。
それがあなたの“今”をもっと輝かせるでしょう。
