純粋レチノールとは?シワ改善を認められた唯一のビタミンA成分

レチノール(ビタミンAの一種)配合美容液のイメージ。肌のハリ・うるおいサポート成分として注目。

レチノールってよく聞くけど、実際どうなの?」
そんな40代女性の疑問に応えるのが、純粋レチノールです。

2017年、資生堂は純粋レチノールで“一般ブランド化粧品として初めて”「シワ改善」効能を厚生労働省から正式に承認されました。
(※日本で最初に承認されたのは2016年、ポーラの「ニールワン®」)

純粋レチノールは“医薬部外品として認められた唯一のビタミンA成分です。

この記事では、純粋レチノールの基本知識から、働き・効果・使い方・注意点までをわかりやすく解説。

「安心してレチノールを始めたい」というあなたのために、正しいエイジングケアの第一歩をお届けします。

目次

純粋レチノールとは?

純粋レチノールとは?ビタミンAの一種で、肌のハリやなめらかさをサポートする美容成分をイメージした写真

ビタミンAの一種で、肌のターンオーバーをケアする

純粋レチノールは、ビタミンAの一種。
肌のすこやかなリズムをサポートすることから、皮膚科学では「エイジングケアの王様」と呼ばれるほど注目されています。

肌は約28日ごとに新しい角質へと生まれ変わる「ターンオーバー」という仕組みを持っていますが、40代以降になるとそのリズムが遅くなり、古い角質が肌表面にとどまってしまいます。

結果、ごわつき・小ジワなどといった年齢サインが現れやすくなります。

純粋レチノールは、その滞ったサイクルを優しく刺激し、肌のコンディションをサポートして本来のリズムをケアする役割を果たします。
つまり「肌を休ませる」のではなく、「肌をすこやかに保ち、若々しい印象へ導く」ための成分なのです。

レチノールの主な働き

レチノールの主な働きを解説するイメージ。肌のうるおい・ハリ・なめらかさをサポートするビタミンA成分の図解

レチノールのすごさは、“肌を多方面からサポートする総合的なアプローチ”です。

  1. ヒアルロン酸をサポート
     → 肌のうるおいを保ち、乾燥小ジワを目立たなくする。
  2. コラーゲンをサポート
     → 肌の弾力を保ち、ふっくらしたハリ感に導く。
  3. 古い角質をやさしくケアする
     → 古い角質をスムーズに排出し、透明感とツヤをサポート。

さらに、表皮の厚みを適度に保ち、肌を外的刺激から守る“バリア機能”にも寄与。

単に「見た目を良くする」だけでなく、古い角質をやさしくケアし、肌表面をなめらかに見せるのが純粋レチノールの最大の魅力です。

資生堂が2017年に厚労省承認を取得

資生堂の純粋レチノール配合製品と無配合製品の比較。9週間後のシワ改善の臨床試験データ。

出典:株式会社資生堂「有効成分純粋レチノールによるしわを改善する効能効果の承認」(2017年2月)
※画像は資生堂公式発表資料より引用
※本画像は臨床データの一部であり、効果には個人差があります。

2017年、資生堂は純粋レチノールを有効成分として配合した薬用化粧品で、「シワを改善する」効能を厚生労働省から正式に承認されました。

これは、ポーラの「ニールワン®」に続く日本で2例目の承認であり、一般ブランドの薬用化粧品としては国内初の快挙です。

資生堂の研究でシワ改善が科学的に証明されたということを意味します。

臨床試験では、使用を続けることで肌の質感に変化が見られたとする結果が報告されています。

なぜ純粋レチノールに「シワ改善」効果があるの?

純粋レチノールがシワを改善するとされる理由を解説するイメージ

なぜレチノールが「シワを改善する」と認められたのか──
その理由は、「肌のうるおいとハリを支える3つのメカニズム」にあります。

① ヒアルロン酸をサポートし、肌をふっくらに

レチノールは、ヒアルロン酸のうるおい力を引き出し、肌をやわらかい印象に導いてくれます。

ヒアルロン酸は肌の水分を抱え込むスポンジのような存在です。

その量が増えることで肌の表面がうるおい満ち、結果としてふっくらとしたハリ感と弾力のある肌に。

よって、年齢サインが気になる肌表面を整えて見せてくれるのです。

② ターンオーバーをケアして、なめらかな角層に整える

紫外線や乾燥によるダメージで乱れた角層は、肌表面の凹凸やくすみの原因になります。

レチノールは肌サイクル(ターンオーバー)のケアをすることで、古い角質をスムーズに排出し、肌の生まれ変わりリズムをサポートをします。

その結果、肌表面がなめらかに整い、“ツヤのある明るい印象”へ導きます。

③ コラーゲンの働きをサポートし、ハリを感じる印象に

レチノールは、肌のハリを支える成分であるコラーゲンの働きをサポートし、しなやかで弾力のある印象の肌へ導きます。

  • 表皮では → うるおいを抱え込むヒアルロン酸の働きをサポートして”ふっくら”
  • 角層では → ターンオーバーをサポートして“なめらか”
  • 肌全体では → コラーゲンの働きを支えながら“ハリを与える”

この3段階のアプローチにより、レチノールは肌を「うるおい・ハリ・透明感」で満たしながら、年齢サインの目立たないなめらかで弾む肌へ導くのです。

レチノール配合化粧品の選び方

レチノール配合化粧品の選び方を解説するイメージ。成分濃度や使用感に合わせたスキンケア選びの写真

医薬部外品かどうかをチェック

まず確認したいのは、「医薬部外品(薬用)」として承認されているかどうか。

「シワを改善する」という表現ができるのは、厚生労働省が効能を正式に認めた医薬部外品のみです。

パッケージや公式サイトに「薬用」「純粋レチノール配合」と明記されていれば、それは効果と安全性の両方を満たしている証

初めて使う方は、まずこの表記を目安に選ぶのが安心です。

一方で、一般化粧品にもレチノールが配合された製品は多数あります。

これらは薬機法上の効能表現が異なり、「保湿」「整肌」「乾燥による小ジワを目立たなくする」など、あくまで肌のコンディションを整える目的で販売されています。

“シワ改善”をうたっていなくても、一般化粧品のレチノール配合アイテムは、マイルドに肌を慣らす導入ステップとして最適です。

特に敏感肌や乾燥肌の人は、まず一般化粧品から始めるのがおすすめ。

夜のケアに使うのが基本

夜のスキンケアでレチノールを使う基本を解説するイメージ。就寝前の美容習慣をイメージした写真

レチノールは光や熱に弱い成分
そのため、紫外線を浴びにくい夜のスキンケアルーティンに取り入れるのが理想です。

(私は昼間も家の中にいることが多いので、朝から使用していますが)

洗顔 → 化粧水 → レチノール美容液(またはクリーム) → 保湿


この順番で、肌が完全に乾いた状態で少量から使い始めましょう。

また、初期は「A反応(レチノール反応)」と呼ばれる乾燥・赤み・ピリつきが出る場合があります。
これは肌がビタミンAに慣れる過程で一時的に起こるもの。

数日〜1週間ほどで落ち着くことが多いため、焦らず、1日おき・少量ずつからスタートしてOKです。

🩷MEGU’s体験メモ
私も最初はレチノール美容液を取り入れたとき、少しだけピリッとした刺激を感じました。

ピリつきなどが気になるときは、保湿クリームを重ねて調整しています。
(※感じ方には個人差があります)

使うときの注意点

レチノールを使うときの注意点を解説するイメージ。夜のスキンケアで刺激を抑える使用方法をイメージした写真

レチノールは、非常に効果的な成分ですが、使い方を誤ると刺激を感じやすい成分でもあります。
以下のポイントを守ることで、安心して続けやすくなります。

使い始めは「ゆっくり慣らす」が基本

初めて使うときは、週2〜3回、夜からスタート。

肌が慣れるまでは毎日使わず、間隔をあけて様子を見るのがコツです。
慣れてきたら徐々に使用頻度を増やしましょう。

日中は必ず「UVケア」をセットに

レチノール使用後の肌は、紫外線の影響を受けやすくなります。

朝は必ず日焼け止めを使用し、屋外では帽子や日傘などの紫外線対策も忘れずに。
これは“美肌を守るレチノールルール”です。

乾燥や赤みが出たら無理せずお休み

もし乾燥やピリつきを感じたら、使用を一時中止して保湿ケアを中心に。

数日おいて肌が落ち着いてから再開することで、トラブルを防ぎやすくなります。

保湿クリームを重ね塗りする「サンドイッチ使い」もおすすめ。

サンドイッチ使いのやり方

1️⃣化粧水のあとに、クリームを少量(薄く)塗る
 肌表面に保湿のベースを作ることで、美容液の刺激をやわらげます。

2️⃣ その上に、美容液をなじませる
 レチノールやナイアシンアミドなどの美容液を使用する場合、保湿クリームがクッションの役割になり、肌への負担をやわらげてくれます。

3️⃣ 仕上げにもう一度、クリームを重ねる
 最後にクリームでフタをして、水分と美容成分を逃がさないようにキープ。
 “うるおいを包み込む”感覚で、しっとりとしたツヤ肌に。

こんな人におすすめ
  • レチノールや美白美容液を使うと刺激を感じやすい人
  • 夜、乾燥によるつっぱりを感じやすい人
  • 冬や季節の変わり目で肌がゆらぎやすい人
使うときのポイント
  • 朝はメイクがヨレやすくなるので、夜ケア専用がおすすめ。
  • 重ねすぎは毛穴づまりの原因になるため、米粒〜小豆1粒分が目安。
  • 軽めのテクスチャが好きな人は、乳液タイプでも代用OK

敏感肌の方は“誘導体”から

刺激が気になる方は、レチノール誘導体(例:パルミチン酸レチノール)など穏やかに働くタイプから試すのが安心です。

同じビタミンA系でも、肌負担がやわらぎ、継続しやすくなります。

🩷ポイント🩷

レチノールは“正しく使えば”とても頼もしい成分。
焦らず少しずつ、肌の声を聞きながら続けていくことが、美肌への一番の近道です。

他のシワ改善成分との違い

純粋レチノールと他のシワ改善有効成分との違いを比較するイメージ。複数の美容成分を並べたビジュアル

同じ「シワ改善有効成分」といっても、それぞれが得意とするアプローチは少しずつ違います。

レチノールはその中でも、“即効性よりも確実性”を重視するケア成分です。

ナイアシンアミドとの違い

ナイアシンアミドは肌のハリを支えるコラーゲンの働きをサポートし、弾力のある印象に導くタイプ
比較的マイルドで肌質を選ばず長期的に使いやすいのが特徴です。

一方でレチノールは、ターンオーバーとヒアルロン酸のサポート、両面から働きかけるため表皮のなめらかさとふっくら感にアプローチしやすい成分といえます。

ライスパワーNo.11+との違い

ライスパワーNo.11+は、発酵の力で角層の水分保持能をサポートするのが得意。

乾燥由来の小ジワやインナードライ肌に向いており、肌そのものの“保湿力を整える”ケアです。

一方、レチノールは肌全体のヒアルロン酸をサポートすることでハリを与えるアプローチをとります。

VEP-Mとの違い

VEP-M(ビタミンE誘導体)は、還元作用と保湿を兼ね備えた“守りの成分”
紫外線や乾燥などの外的ストレスから肌を守りながら、柔軟性を保つタイプです。

レチノールはその逆で、ダメージを受けた後の肌のコンディションを整える“攻めのケア”として働きます。
両者を組み合わせることで、外から守り・うるおいで満たすバランスの良いスキンケアが可能になります。

レチノール:表皮に働きかけてハリ・なめらかさを育てる“攻めのケア”

ナイアシンアミド・ライスパワー・VEP-M:肌環境をサポート“守りのケア”

まとめ|40代からの“肌リズム”を味方に

40代からの肌リズムを整えて美しく年齢を重ねることをテーマにしたまとめイメージ。柔らかな光に包まれた女性の横顔

純粋レチノールは、ビタミンAの力で肌のターンオーバーをサポートして、肌全体から「うるおいとハリを与えるビタミン」とも呼ばれる成分。

年齢を重ねると、肌の生まれ変わるサイクルは20代の約2倍の時間がかかるといわれています。

だからこそ、40代からのケアには肌のうるおいとハリを与える成分が欠かせません。

レチノールはその力を、毎晩少しずつ積み重ねてくれる存在。
即効性よりも、“自分の肌が少しずつ変わっていくプロセス”を楽しむことが大切です。

焦らず丁寧に、自分の肌と向き合う時間が、未来のあなたの印象をつくっていきます。

そして気づけば「最近なんだか肌が明るくなったね」と言われるような、自然体の美しさがあなたの味方になっているはずです。

レチノールは“肌と会話する時間”
今日の小さな一滴が、明日のあなたの輝きを育てます✨

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この記事を書いた人

meguのアバター megu アラフォー女性のキレイとマインドを応援する美容ライター

元エステティシャンとして美容業界で10年以上活動し、銀座サロン勤務の経験もあり。
現在は美容とマインドの学びを活かして、アラフォー女性の“キレイと幸せ”を応援しています。
AIを活用しながら新しい働き方に挑戦中!



経歴・資格:WEBライティング実務士/コスメ薬機法管理者/薬機法医療法広告遵守個人認証YMAA/日本化粧品検定特級コスメコンシェルジュ/日本化粧品検定コスメライターベーシック/日本カラリスト協会パーソナルカラリスト1.2級/日本化粧品検定メイクカラーコンシェルジュベーシック/アロマテラピー検定1級/ダイエット検定1級/ホリスティックビューティ・アカデミー総合セラピスト課程修了

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